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助成事業 QOLへの助成

がん患者らの集う施設を=石川

 自らもがんで闘病生活を送る金沢赤十字病院副院長の西村元一さん(57)が、がん患者らが集い、悩みを打ち明けられる居場所作りを進めている。昨年がんが見つかり、「必要性を一層強く感じた」という西村さんは、常設の施設を10月にも金沢市に開設しようと基金を創設し、資金集めを始めた。 

  医師として主に大腸がん治療に携わってきた西村さんは2010年、専門家が患者に寄り添ってサポートする英国発祥のがん相談支援施設「マギーズセンター」を日本にも作ろうと活動を開始。13年には専門的な知識や技術を持つ看護師やピアサポーターらと「がんとむきあう会」を作り、さらに患者やその家族が集う「金沢マギー」を発足させてイベントを続けてきた。「病院外では患者が話をしやすく、医療関係者も白衣を脱いで個人として向き合える」からだ。

 西村さんは昨年3月、体調不良で倒れ、胃がんが見つかった。肝転移も判明し、「放置すれば余命は半年」とされた。「目の前が灰色になった」。同6月に胃を全摘出し、現在も入院して抗がん剤治療を続ける。

 そんな中で自分を支えてくれたのは、がん患者の居場所を作りたいという思いだった。「ベルトコンベヤーに載せられるような」治療に追われ、病室で社会との接点を失ったと感じることもあった。一方、医師や看護師にはゆっくりと患者の話を聞くゆとりはなく、家では自分も家族も気を使ってしまう。

 「誰かが話を聞いてくれたり一人でぼーっとしたり、患者が自分らしく居られる場所が必要だと実感した。それを作ることが人生の目標になり、生きている証しになった」

 昨年12月からは金沢市内の町家を利用して毎月第2、第4火曜に「金沢マギー」を定例化し、今年3月には施設の改装費や当面の運営費など計2000万円を目標に「元ちゃん基金」を創設した。5月には新たな拠点として金沢市の医療用具販売会社の旧社屋を使わせてもらうことも決まった。

  西村さんは「患者も病室や自宅に囲われることなく、自分を取り戻し、役割を持って社会とつながる。そんな場を作ることができれば」と話している。

 寄付などの問い合わせは「がんとむきあう会」ホームページの問い合わせフォームから。
 

(2016年08月30日)

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