助成事業

2団体に助成 =北海道

 がん患者団体などの活動を支援している公益財団法人「正力厚生会」は、今年度の助成対象に、道内からは「男性がん患者会Face」と「北海道肺がん患者と家族の会」(いずれも札幌市豊平区)を選んだ。2団体の活動を紹介する。

 ◆男性同士 相談できる場

 ◇男性がん患者会Face(国井慎司代表)

 「互いに向き合い、がんに立ち向かい、笑顔に」。男性がん患者会Faceの代表、国井慎司さん(64)は、会の名前にそんな思いを込めたという。

 原点にあるのは、自身の前立腺がんの経験だ。製薬会社で働いていた55歳の時にがんと診断されたが、周囲には治療を相談できるがん経験者はおらず、全摘出をした後も、後遺症の尿漏れのことは打ち明けられなかった。

 退職後、あるがん患者の集まりを訪れた時、妻と一緒にやってきた患者の男性が話の輪に参加していない姿を目にした。「弱みを見せたがらない男性は少なくない」と感じ、男性同士でがんの悩みを相談できる場所を作ろうと、昨年4月、会を設立した。

 会員は全国におり、28人全員が男性だ。毎月、看護師や薬剤師らによる再発予防や尿漏れ対策などの講義や交流会を、対面とオンライン形式で実施している。対面形式の際は会員以外も参加できる。

 会員の中には「生きる希望をもらった」と話す人もおり、活動の手応えを感じている。助成金は会の運営費などに充てる予定で、「会員を増やして経験談を蓄積し、多くの人の悩みに対応できるようにしたい」と国井さん。製薬会社時代から大切にしてきた「患者さんの役に立ちたい」という思いは今も変わらない。

 ◆専門用語 分かりやすく

 ◇北海道肺がん患者と家族の会(内山浩美代表)

 北海道肺がん患者と家族の会は2014年に設立され、病気に関する情報発信のほか、交流会や講演会などの開催を通して、患者と家族に安心感を与えてきた。

 毎月の定例会は、対面かオンライン形式で開催している。医師や看護師による講座が行われ、副作用の具体的な症状や病気に関する専門用語などを分かりやすく説明する。定例会の後半は患者らの交流会とし、趣味の話や近況報告で盛り上がるという。代表の内山浩美さん(61)は「肺がんに関する知識を学びながら、雑談もできるのがこの会の特徴」と話す。

 内山さんは07年10月にステージ4の肺がんと診断された。つらい治療も、医師や看護師の献身的なサポートが心の支えになったといい、現在も治療を受けながら仕事を続けている。会の活動には15年から参加し、17年からは代表に。「肺がんと診断され一人で抱え込んでいる人に参加してもらい、笑顔になってほしい」との思いで活動している。

 会員は17人。道外や入院先からも活動に参加できるよう、助成金はオンライン環境を充実させるための経費に充てる予定だ。内山さんは「患者の皆さんの心が元気になるように、多くの人が交流できるようにしたい」と話している。