助成事業

亡き弟と支援 これからも レモネードスタンド 高3理事長 意欲 =大阪

◆4団体助成

 がん患者らを支援する公益財団法人「正力厚生会」が公募した今年度の助成事業で、府内からは、豊中市のNPO法人「おおさかレモネードスタンドプロジェクトPilina(ピリナ)」など4団体が選ばれた。小児がんで亡くなった弟の思いを受け、レモネードなどの販売を通じて患者らを支援する「ピリナ」の理事長として活動する高校3年土井颯大(そうた)さん(17)は「助成が決まり、より多くの人に活動を知ってもらえる。支援の輪を広げたい」と力を込める。(佐藤祐介)

 颯大さんの弟・大地君は5歳だった2016年12月に小児がんと診断された。抗がん剤治療などを乗り越え、約1年後に退院できたが、小学4年の時に再発が判明。颯大さんは、つらい治療を続ける大地君に対し、普段通り学校に行き、友人と遊ぶ自身に罪悪感が募ったという。

 高校1年の時、レモネードの販売を通して寄付を募る「レモネードスタンド」について調べ、取り組もうと決意。24年10月14日にイベントで初めて販売することが決まったが、大地君はその1週間前に意識を失い、10月9日に13歳で亡くなった。イベントは葬式の翌日だったが、楽しみにしていた大地君のために予定通り開催。以降、各地のイベントで出店を続け、子どものためのホスピスへの寄付などを続けている。

 颯大さんは、取り組みを広く知ってもらおうと25年7月にNPO法人を設立し、母・かおりさん(45)と活動を展開。小学校などで講演する中で、「小さな子どもたちにも、小児がんという病気や一日一日を生きることの大切さを伝えたい」と考え、絵本を制作した。資金はクラウドファンディングで募り、大地君を主人公のモデルにした。今後、豊中市内の小中学校に寄贈する予定という。

 5月上旬、大阪市鶴見区の鶴見緑地内にある「TSURUMIこどもホスピス」に設けられたブースで、レモネードやレモンを使ったドライフラワーを販売し、訪れた人らに小児がんについて説明した。傍らには大地君の写真が置かれていた。かおりさんは「大地がきっかけをくれた活動を、颯大が広げてくれている。2人が協力し合っている姿が見られてうれしい」と目を細める。

 今回決まった正力厚生会からの助成金(30万円)は、活動を知ってもらうためのパンフレットの制作費などに充てるという。

 颯大さんは「レモネードを飲むだけで誰かの力になれることを知ってもらい、病気の有無に関係なく、みんなが毎日を大切に生きられるような世の中にしたい。これからも大地と一緒に活動を続けていく」と話している。

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 府内のほかの助成金交付先は、▽NPO法人「大阪がんええナビ制作委員会」(大阪市北区)▽どうするBOKS(同)▽一般社団法人「らふ」(泉佐野市)。がん患者団体助成事業などの問い合わせは、正力厚生会(03・3216・7122)へ。