助成事業

横浜の2団体に助成 希少がん、肺がん患者会 =神奈川

 がん患者団体などを支援する公益財団法人「正力厚生会」(辻哲夫会長)が公募した2026年度助成事業の交付先が決まり、県内では、横浜市の二つのNPO法人が選ばれた。GIST(消化管間質腫瘍)を中心とする肉腫・希少がんの患者らでつくる「GISTERS(ジスターズ)」(中区)と、「肺がん患者の会ワンステップ」(保土ヶ谷区)で、それぞれの活動を紹介する。

 ■GISTERS 「GIST」知って

 GISTは胃腸の粘膜の下にできる肉腫で、吐き気、腹痛、下血などの症状は他の病気でも起きることから、早期発見が難しいという。希少な病気で孤立しがちな患者・家族たちのため、互いに支え合うネットワークづくりを進めるのが「GISTERS」だ。

 母体となったのは、20年前のがん患者支援イベントに参加したグループ。インターネットを活用して活動の幅を広げながら、2013年にNPO法人となった。家族がGISTを患ったのを機に活動に加わった西舘澄人理事長(62)は「とにかくこの病気を広く知ってもらうことが大事」と強調する。

 今年度は助成金をもとに、会の紹介パンフレットを刷新し、GISTの診療実績がある全国約460の医療機関に送る。地域ごとの活動団体を示す全国マップも掲載する計画という。

 ■ワンステップ 一歩踏み出す

 患者・家族の「生きる勇気」を支えることを目標に活動する「肺がん患者の会ワンステップ」は、2015年に発足した。

 安心してつながれる場を提供しようと、オンラインと対面を併用した「おしゃべり会」を年に数十回も開催。年間1万人を超す人々が参加し、悩みや体験を語り合う。患者応援マガジン「肺がんBOOK」をこれまでに11回発行し、累計部数は約20万部に上る。

 肺がん関連の動画配信にも力を入れている。今年度は助成金をもとに、肺がん患者へのインタビュー動画の新シリーズを企画。「語りでつなぐ『希望の循環』」と題して、毎月配信していく。

 会の創設者で、自身もステージ4の闘病を続ける長谷川一男理事長(55)は、動画による発信に「命とどう向き合っていくかを考えること、一歩を踏み出すことにつながっていけば」と思いを込める。健康な人にも「がんは人ごとではない」という認識が広まることを期待している。