小児がん患者 外出支援 台東のジャパンハート =東京
◆医療従事者同行「安心」
がん患者団体などの支援活動を続ける公益財団法人「正力厚生会」(辻哲夫理事長)は、今年度の助成対象に都内から3団体を選んだ。このうち、小児がん患者とその家族の外出支援に取り組んできた特定非営利活動法人「ジャパンハート」(台東区)の活動を紹介する。
ミャンマーに医師らを派遣するなど国際的な医療支援活動で知られる同法人だが、国内の小児がん患者とその家族を対象に、外出時に医療従事者らが同行する「スマイルスマイルプロジェクト」を2010年から実施している。
きっかけは、法人を設立した医師の吉岡秀人氏(60)が勤務医時代、末期の小児がん患者の家族から「外出させると約束したのに、連れて行ってあげられなかった」と悔やむ声を聞いたことだった。医療者が付き添えば外出できたが、勤務医では難しい実態があった。
プロジェクトでは、小児がんを治療中、もしくは治療後1年以内の18歳以下の子どもと家族を対象に、主治医の許可を得て、遊園地などへの外出や、2泊3日以内の国内旅行の支援をする。医師や看護師と、ボランティアスタッフが同行し、点滴管理や吸引などの医療行為や体調が急変した場合のサポートをする。
厳しい闘病生活を送る子どもや家族に、深く心に残る時間をプレゼントする活動だといい、小児科医で、同法人の吉岡春菜理事長(47)は「小児がん患者は、家族より早く亡くなる場合が多い。最期にかけがえのない時間を過ごしてもらうことで、家族や患者の心が救われるという医療もあるはずだ」と話す。
申し込みは年々増加しており、今年3月末時点でのべ755組の家族が参加した。患者や家族からは「旅行を目標に嫌いな注射や通院を頑張れた」「看護師がそばにいることで外出中も安心して過ごせた」などの声が寄せられている。
ただ、現在は都市部からの依頼が多く、活動の認知度に地域差があるという。助成金で、活動紹介パンフレットを作り、全国各地の医療機関に配りたいとし、吉岡理事長は「小児がんについても知ってもらい、最期まで子どもたちの命に寄り添う医療を広げていきたい」と語った。
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都内のそのほかの助成金の交付団体は次の通り。がん患者団体助成事業などの問い合わせは、正力厚生会(03・3216・7122)へ。
▽NPO法人ピアスマイル(八王子市)▽がんフォト*がんストーリー(東京)