塩釜の団体 助成先に すい臓がん患者ら語り合う =宮城
◆月1サロン
がん患者団体などの活動を支援している「公益財団法人正力厚生会」の今年度の助成先が決まった。県内から「すい臓がん患者と家族のおしゃべりサロンぶどうの木」(塩釜市)が選ばれた。
助成は2021年度に続いて2度目。同団体はすい臓がん患者が思いを語り合える場として20年に設立されて、月に1回ずつ、オンラインと対面でおしゃべりを楽しむサロンを開いている。全国からメンバーが集まり、闘病生活の悩みを語り合ったり、たわいのない世間話で盛り上がったりする。
代表の浜端光恵さん(55)は17年にすい臓がんを患った。周囲に打ち明けると、健康な人から過度に心配され、気を使われているように感じた。そのもどかしさが団体を設立するきっかけになった。
仙台市を中心に活動し、21年からは2年に1回、サロンで楽しく過ごすメンバーやその家族らを撮影した写真展を開いている。がんで親族を亡くしたメンバーから、闘病中に写真を撮るのをためらったという悩みを打ち明けられたのを機に開催を決意した。
7月には仙台市青葉区で、「和(なごみ)」をテーマにした写真展を開催。会場には、にこやかに笑みを浮かべるがん患者らの写真約50点が並んだ。全国のメンバーからも好評といい、中には作品を出すのを闘病の糧とする人もいるという。
助成金は、写真展の企画などに充てる。浜端さんは「難治性の患者でも元気に生活を送っている姿を見て、こんなふうに笑えることを知ってほしい」と話した。