助成事業

若年性がん患者団体 助成 交流会、冊子配布 =青森

◆「孤独感じないで」 
 がん患者団体などの支援活動を続ける「公益財団法人正力厚生会」による今年度の助成対象に、県内からは青森市の当事者団体「北日本若年性がん患者会 The Bright Future(ザ・ブライト・フューチャー)」が選ばれた。代表の小渡麻衣さん(36)は「がんを患った人たちが孤独を感じないようにしていきたい」と、交流会や冊子配布などの活動に力を注いでいる。
 同団体は2018年に発足した。現在の会員は東北地方に住むがん経験者15人。交流会で情報共有を図るほか、がん経験者の声をまとめた冊子を年に1回発行し、がん拠点病院に500部ほど配っている。入院中のエピソードや心境の変化を親しみやすく伝えるため、ランキング形式や4コマ漫画を交えて編集している。
 発足のきっかけは、がん患者支援施設を運営するNPO法人マギーズ東京の鈴木美穂共同代表理事の講演を見たことだった。27歳で直径約8センチの乳がんが発見された小渡さんは「生きる希望を持てなくなった」と絶望していたが、がんを経験しても明るく話す鈴木さんに元気づけられたという。
 これまで冊子の発行費用は主に自費でまかなっていたため部数に限りがあった。今年は助成金を活用して部数を3倍に増やし、活動の拡大につなげるつもりだ。