助成事業

はまなすの会」3年連続助成 がん患者団体支援 =兵庫

 がん患者団体などの支援活動を続ける「公益財団法人正力厚生会」は、今年度の助成対象に県内から「はまなすの会」(太子町)を選んだ。助成は3年連続で、同会の地道な取り組みが長年認められている。
 会は2017年に設立。代表の太田直美さん(63)は、会員約35人やボランティア、地域のがん患者やサバイバーらが集う「がんサロン」を主催し、治療で頭髪が抜けた人のための「ケア帽子」を作り続けている。昨年度からは「がんサポーター養成講座」も始めた。
 医学の進歩で、がんは死の病ではなくなった。だが太田さんの周囲では、患者は「もうすぐ死ぬかわいそうな人」と見られることがあまりに多く、講座を始めたきっかけになったという。
 講座ではがんの基礎知識や治療法を学んでもらったり、会の定例会で患者や家族らに接してもらったりする。修了後は草の根的な役割を期待し、昨年度は31人に修了証を手渡した。
 会の活動の場は、西播磨から県全域に広がる。各種講座の受け付け対応で近隣の高校生や大学生に協力してもらい、中学生が地域で職業体験を行う「トライやる・ウィーク」も受け入れる。太田さんは「若い人にも関心を持ってもらわないと」と語り、「70歳までは活動を続けたい」。意欲は衰えない。