血液がん患者ら悩み共有 県内3団体に助成 =福岡
◆専門家講演や交流会 大野城「MUSUBI」
「公益財団法人正力厚生会」が公募した今年度のがん患者団体助成事業の助成金交付先が決まり、県内からは3団体が選ばれた。このうち、大野城市の「血液がん患者・家族の会MUSUBI」の活動を紹介する。(鶴田明子)
同会は白血病や悪性リンパ腫など血液疾患のある患者や家族のために、専門家による講演会や、悩みを相談しあう交流会を福岡市などで開いている。
会発足のきっかけは、福岡市で30年にわたり同様の患者を支えてきた「リボンの会」が、コロナ禍で対面の活動が制限されたことなどから、2023年春に解散したことだった。
血液がんは過酷な治療が長期にわたる上、患者数が少なく、悩みを共有できる仲間を見つけるのが難しい。このため、「リボンの会」の会員だった平野道夫さん(67)ら有志4人が「困っている患者さんや家族のためのよりどころが必要」として、同年9月に新たに会を発足させた。
代表を務める平野さんは、6年前に急性骨髄性白血病と診断され、骨髄移植などの治療に臨んだ。死を意識して毎日不安な気持ちで過ごし、家族の今後を案じていた時に、リボンの会で同じ病と闘いながらも元気に過ごす患者に出会え、「前を向く力をもらった」と振り返る。今は恩返しの気持ちで会を運営しているといい、「一人でも多くの人の気持ちが救われるよう、活動を継続していきたい」と話す。
これまで、交流会の開催経費などのほとんどを4人で負担してきたため、助成金は運営費に充てる予定だ。
17日にもオンラインで患者の体験発表と交流会を計画しており、参加者を募集している。応募フォームから事前申し込みが必要。問い合わせはメール(musubi.fukuoka@gmail.com)へ。