「肺がん女性 助け合う場に」 患者団体助成 =香川
◆県内拠点「なでしこ」を選出
がん患者団体などの支援活動を続ける「公益財団法人正力厚生会」の今年度の助成対象に、県内を拠点に活動する女性向けの「肺がん患者サロンなでしこ」が選ばれた。自らもがんを患う中矢仁美代表は「同じ悩みを持つ女性同士、助け合える場所にしていきたい」と話している。(中山真緒)
中矢さんは2014年、肺がんと診断を受けた。知り合いに伝えることはできず、抗がん剤の副作用で髪の毛も抜け、外出も減った。
18年、治療法の情報を求めて神奈川県の患者会に初めて参加した。同じ病気を持つ人が頑張っている姿をみて、勇気をもらった。その後、がんに関する講演会や患者会に積極的に出席するようになった。
しかし、肺がん患者は男性が多く、患者会も女性は少ない。薬の副作用による体形の変化や手術後に使いやすい下着といった悩みも「男性には相談しづらい」と感じた。
そこで、18年9月、「なでしこ」を設立した。サッカー女子日本代表の愛称から名付けた。「一生懸命頑張っている選手の姿が、自分たちと重なった」
なでしこでは、交流会の開催に加えて、会報誌を年4回作成したり、患者や家族からの電話相談に対応したりしている。中矢さんは「やることがあると前向きになれる」といい、治療を続けながら活動をしている。今月時点で、県内外から16人の女性の患者が登録している。
今回の助成金21万円については、今月23日に開催する患者交流イベントに役立てる。中矢さんは「自分もまだ治療中だが、会員が喜ぶ顔を見るとうれしい。がんに苦しむ女性や、家族ががんとなった女性にとって、ホッとできる場所にしていきたい」と語る。
◆医師の講演や患者会活動報告 高松で6月23日催し
なでしこのイベントは23日午後2時~4時半、「サンポート高松」(高松市)5階の会議室で開かれる。参加無料。
呼吸器内科の医師による講演や、各地の患者会が活動内容を報告する。また、参加者が1年後の自分に宛てて手紙を書くコーナーも企画。完成した手紙はなでしこで保管し、1年後に郵送される。
対象は、がん患者や家族、医療関係者など。事前申し込みが必要で、定員は先着40人。問い合わせは、なでしこ(050・5438・6295)。