助成事業

がん患者つながり確保 東吾妻の団体に助成金 =群馬

 がん患者団体やその家族らを支援する公益財団法人「正力厚生会」は、今年度の助成対象に全国の25団体を選んだ。このうち、東吾妻町原町の原町赤十字病院を拠点に活動する「桜月夜会」の取り組みを紹介する。
 胃がんや大腸がんといった消化器がんの患者やその家族計約15人で構成され、患者同士のつながりの確保と、一般市民への啓発を目的に活動している。
 会長の奥木昭行さん(66)は2008年に直腸がんと診断され、同病院で手術を受けた。手術を担ったのは内田信之院長(61)。内田院長が奥木さんに声をかけ、16年に同会が結成された。
 会員は、市民セミナーで「早期発見が重要」「健康診断で異常があれば必ず2次検査を受けて」などと訴えている。また、東吾妻地域にある乳がん患者の団体と合同で懇親会を開き、患者同士の親睦を深めるなどしてきた。しかしコロナ禍で活動が中断し、「本格的に活動を再開させよう」と、正力厚生会に支援を求めた。
 今後は従来の活動に加え、がん患者や家族の相談を受ける「がんサロン」の開催や、地域の事業所に対して健康診断の重要性を訴える活動などを検討している。奥木会長は「我々の活動が人の目に留まり、会員が増えてほしい」と話している。