ハープ演奏 がん患者支援 仙台の団体 =宮城
がん患者や家族を支援する公益財団法人「正力厚生会」の助成事業で、2023年度の助成団体が決まった。県内からは、ハープ演奏によるがん患者の心のケアに取り組んでいる団体「パストラル・ハープ ミニストリー」(仙台市若林区)が選ばれた。
同団体が活動を始めたのは2017年。週に1回程度、代表の横山恭子さん(72)らメンバー4人が手分けして病院や介護施設、患者の自宅などを訪問している。
横山さんは「患者さんの不安そうな顔が穏やかな表情に変わる。それがやりがい」と語る。横山さんによると、ハープの音色はがん患者の呼吸の緩和や痛みの軽減、不安を和らげることができるという。主に賛美歌や海外の子守歌を奏でる。患者の呼吸や顔色を観察して曲を選び、歌うこともある。
演奏には「アイリッシュハープ」と呼ばれる小型のものを使う。もともとはクラシックギターだったが、細かな音の調整が難しかった。より患者を癒やせる優しい音色を探し、繊細な音色を響かせるハープにたどり着いた。
県内でアイリッシュハープの奏者は多くないのが課題で、助成金は奏者の育成などに充てる予定だ。横山さんは「患者さんの笑顔を見るために、少しでも長く活動できるようにしたい」と語った。