助成事業

がん患者支援団体に助成 悩みなど記す冊子製作へ =大阪

 がん患者やその家族を支援する公益財団法人「正力厚生会」が公募した今年度の助成事業で、府内からは患者向け相談支援団体「どうするBOKS」(大阪市北区)が交付先に選ばれた。同団体は、助成金(30万円)を使い、患者が悩み事や今後の人生設計などを書き込める冊子「知っとこ!ノート」を製作する。(古市豪)
 同団体は2015年1月、弁護士や社会保険労務士、看護師らで設立。がんや難病の患者の相談に無料で応じている。年間約100件が寄せられ、内容は就労や社会保障、保険、相続など多岐にわたる。それぞれ専門家が対応するが、患者がうまく悩みを伝えられず、「橋渡し」に時間がかかるケースも多いことから、冊子の製作を思いついた。
 冊子には、これまでに受けた相談をもとに、年金、保険、税金など患者や家族が必要としそうな情報を掲載。それらを読んで感じた疑問や思いついた計画などを書き留めておく欄も設ける。
 がんになるとショックで動転してしまう人も多いといい、団体代表の江川浩司さん(47)は「書き出すことで頭の中を整理してもらえる。その上で相談を受ければ、迅速で的確な助言ができる」と期待する。今後、掲載する情報についてメンバーで検討を重ねることにしている。
 年内には医療機関などに置いてもらい、無料で配布する予定。江川さんは「患者さんに寄り添った使いやすいノートに仕上げたい」と話していた。