乳がん患者団体に助成 大田原「マンマぴあルーチェ」 =栃木
がん患者や家族を支援する公益財団法人「正力厚生会」が公募した2022年度がん患者団体助成事業の助成金交付先に、県内では大田原市の乳がん患者団体「マンマぴあルーチェ」が選ばれた。県内の団体が助成先になったのは初めて。
同会は、同市の那須赤十字病院で乳がんの手術を受けた大森初江会長(59)が、治療中の仲間に呼びかけ、「同じような悩みを持つ人たちが話し合える場を作りたい」と、病院側の協力も得て15年に設立した。会の名前は「乳房・仲間・光」を意味している。
会員は約30人。月1回の例会を開くほか、乳がん治療を担当する田村光・同病院副院長(60)や医療スタッフとの勉強会、亡くなった会員遺族との交流などを続けてきた。新型コロナウイルス感染拡大前は、病院の会議室で例会を開いていたが、現在は公民館などを利用している。
田村副院長は同会の活動について「医師では対応できない部分を患者の方たちが楽しくやっている」と評価する。大森会長の悩みは「会の活動を広く知ってもらう機会が少ないこと」。助成決定を機に、会の活動紹介や乳がんの知識の啓発を行う小冊子(B6判、20ページ)を製作し、飲食店や薬局などに配布して参加を呼びかけるという。
大森会長は「一人で悩むのではなく、病気の縁でつながって助け合う活動を続けていきたい。明るく楽しく参加してもらいたい」と話している。