助成事業

がんサロンで悩み共有 鹿児島の団体に助成 =鹿児島

◆空き家整備し活動拡充へ

 がん患者団体などへの助成事業を行っている公益財団法人正力厚生会の今年度の助成対象に、県内からは鹿児島市の「NPO法人がんサポートかごしま」が選ばれた。空き家を活用した地域がん患者サロンの開設を計画しており、その整備費などに充てる予定。「患者たちがくつろげる居場所をつくりたい」としている。

 がんサポートかごしまは、乳がん経験者である理事長の三好綾さん(47)らが中心となって2007年に発足。10年にNPO法人化した。会員は現在74人。鹿児島市下伊敷の県民総合保健センターの一室を拠点に活動している。

 患者やその家族から「悩みを共有できるサロンがほしい」との声が上がったのが設立のきっかけ。相談を受け付ける週2回のサロンを開くなど、様々な活動を展開してきた。

 「(病気が)怖い」「乳がんの手術で乳房を摘出し、落ち込んだ」といった率直な気持ちを語り、患者や経験者同士で共感し合うことで、希望を持って生きることにつながるという。「患者は、病院や家族に気兼ねして本音を言えない面もある。同じ境遇の人同士なら話せることもある」と、三好さんは力説する。

 これまで、サロンは事務所内などで開いてきたが、長時間の使用や夜間の開催ができなかった。このため、くつろぎながら語り合い、サークル活動などもできる新たなサロンの場を設けることにした。

 副理事長を務める野田真記子さん(51)の祖母が住んでいた市内の空き家をリフォームし、「がんサポHome」の名称で12月頃のオープンを目指す。

 三好さんと野田さんは「ふらっと訪ね、おうちのようにリラックスできるサロンにしたい」と話している。