助成事業

がん患者ら 学んで発信 千代田のNPO =東京

 公益財団法人正力厚生会が公募した2021年度がん患者団体助成事業の助成金交付先に、千代田区のNPO法人「日本がんサバイバーシップネットワーク」が選ばれた。

 同ネットワークは、昨年10月に設立された。患者や家族、医療関係者、がん経験のない人ら会員約100人が交流し、それぞれの立場から「学ぶ」「楽しむ」「発信する」を柱に活動している。「病気になったときの仕事とお金について、誰に相談すればいいか」などのテーマでオンラインでセミナーを開催したり、会員向けの「がんサバネット通信」で、がんと診断されたときの心境をつづったエッセーを発行したりしている。

 ホームページ上に仮想図書館「サバイぶらりー」も開設。がんに関係する体験談や医療関連の書籍のほか、衣食住やお金にまつわる本についても紹介している。

 内科医で代表理事を務める高橋都さんは「2人に1人が、人生のどこかでがんと診断される時代。がんになっても、充実した生活を送っていける社会を目指したい」と話す。コロナ禍が収束した後は、森林浴や農業体験など病気を忘れて楽しめるイベントを企画していくという。

 がん患者団体助成事業の応募方法などの問い合わせは、正力厚生会(03・3216・7122)へ。