助成事業

リンパ浮腫 周知へ尽力 「学ぶ会」に助成 =佐賀

◆「支援進めばうれしい」
 がん患者団体の活動を支援している公益財団法人「正力厚生会」の今年度の助成金交付先に、県内からNPO法人「リンパ浮腫を学ぶ会」が選ばれた。同会は患者らに病気との付き合い方などを啓発してきた。自身も患者で代表を務める武雄市の主婦、高田仁子さん(69)は「これからも病気のことを広く周知していきたい」と話している。(渡辺直樹)
 リンパ浮腫は、リンパ液の流れが滞ることで腕や足などにむくみが出る病気。がんの手術などでリンパ節を切除したり、損傷したりした人で症状が出ることがあるという。
 高田さんは2004年に乳がんの手術をした際、右脇付近のリンパ節を取り除いた。05年から症状が出て、右腕が腫れるようになった。「痛みを感じない病気と言われることもあるが、むくみで重さやだるさを感じる。服を着づらくなるつらさもある」と明かす。
 こうした実情を広く知ってもらいたいと、07年に患者会を設立し、11年にNPO法人化した。現在の会員は212人で、県内外の患者や家族、医療、介護関係者らが加入。リンパ浮腫の治療にあたる医師らを招いた講習会を年1回開くほか、患者らがマッサージなどのセルフケアの方法を学ぶ会なども実施してきた。
 講習会は、患者たちが集まることで苦労を分かち合い、励まし合う場にもなっているという。今年は11月に佐賀市で開催予定。会場での密集を避けるため、ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」も使う方針だ。
 患者は治療で使う弾性着衣の購入などで経済面での負担もあるといい、高田さんは「病気への理解が深まり、患者への支援がさらに進んでいけばうれしい」と話している。
 会への加入や講習会参加などに関する問い合わせは、リンパ浮腫を学ぶ会事務局(050・3671・8201)で応じる。