助成事業

がん患者支援 2団体助成 =福岡

 公益財団法人正力厚生会が公募した2020年度のがん患者団体助成事業の助成金交付先に、県内からは「骨髄腫(こつずいしゅ)患者と家族の会福岡オリゾン」(福岡市東区)と、「NPO法人がんのママをささえ隊ネットワーク ETERNAL BRIDGE」(同)の2団体が選ばれた。

 「オリゾン」は、骨髄腫患者とその家族が17年4月に設立した。骨髄腫は血液がんの中でも患者がそれほど多くないため、情報が限られていることから、毎年春に交流会を開催。秋には、福岡市の福岡大病院でセミナーを開き、医療者も交えて正しい医療知識を学んだり、互いの体験談を共有したりしている。

 今年のセミナーは11月3日に予定しており、代表の柴田佐知子さん(70)は「同じ病気の仲間がいることは励みになる。互いに話せる場や、正しい知識を学ぶ機会を設けることを通じて、患者や家族の力になりたい」と力を込める。

 「がんのママをささえ隊ネットワーク」は、16年10月に発足した。代表の山田佳代子さん(67)の長女、乳腺専門医の金城舞さん(41)らが、闘病しながらの子育てに悩む母親たちを応援。母親の体験談を紹介する冊子を作成・配布したり、家族で楽しめるイベントを開催したりしている。

 今回は好評だった冊子の増刷と、全国のがん拠点病院への無料配布、小中学生を対象にしたがんに関する講演会を企画した。金城さんは「家族の力で治療の困難な時期を乗り越えてほしい。私たちの活動が少しでもその手助けになればうれしい」と話している。