助成事業

がん患者の声くみ取る 「久慈かたくりの会」に助成 =岩手

 がん患者やその家族を支援する公益財団法人「正力厚生会」は今年度の助成事業の対象に、患者への傾聴ボランティア活動に力を入れる「久慈かたくりの会」(久慈市)を選んだ。

 同会は2003年、県立久慈病院の院長や久慈市内の患者らにより設立された。同病院のがん患者家族サロンを拠点に活動しており、入院患者らへの傾聴ボランティアは週に2回行っている。また、抗がん剤治療の副作用で脱毛した人が使う「ケア帽子」の作製や、理学療法士を招いた講演会の開催なども行ってきた。

 代表の大橋泰子さん(78)は元看護師。病気や患者への接し方を学ぼうと同会に入り、事務局として長年にわたり活動を支えてきた。現在は新型コロナウイルスの影響でサロンを開催できない代わりに、電話で悩みを聞くなどの活動を続けている。

 今回の助成金は、市内で治療中の患者や家族などを対象にした在宅緩和ケアの講演会の開催、会の取り組みを紹介するリーフレットの作成などに充てる予定。大橋さんは、「今後も患者に寄り添った活動を続けていきたい」と話している。