親ががん 子ども支援 佐世保の「葵会」助成 =長崎
がん患者やその家族を支援する公益財団法人「正力厚生会」の今年度の助成事業の一つに、がん患者である親を持つ子どものサポートなどを行っている佐世保市のNPO法人葵(あおい)会が選ばれた。
代表の吉村市代さん(63)は2008年に乳がんを経験。医師や看護師から受けた恩を返したいという思いや、友人が初めて受けた検診で乳がんが見つかった経験から、13年5月に啓発活動を目的とした会を設立した。活動は県の協働事業に採択され、女性特有のがんの早期発見を呼びかけたり、患者を応援するコンサートを開いたりしてきた。
その後、東京のNPO法人代表との出会いをきっかけに、親ががんを患った際に子どもに伝えることの意義や、家族で支え合うことの大切さを説くオリジナルの紙芝居「おかあさん がんってなぁに?」を製作。この物語をより多くの人に知ってもらおうと、今回の助成金を元手に冊子やDVDを作り、紙芝居の読み手を養成する計画だ。
吉村さんは「助成を受けられることで会員の士気も上がる。患者のつらい思いに耳を傾けるなど、がんサバイバーだからこそできることを続け、さらに活動をつなげていきたい」と笑顔で語った。