助成事業

がん患者の子を支援 川崎のNPOに助成 =神奈川

 がん患者やその家族を支援する「公益財団法人正力厚生会」の今年度の助成事業の一つに、がん患者の子供を支援するNPO「Hope Tree」(川崎市中原区)が選ばれた。

 代表の大沢かおりさん(53)は、医療ソーシャルワーカーとして都内の病院で勤務していた2003年、乳がんが判明。患者会で悩みなどを相談した経験から、「もっと力になりたい」と患者会を手伝うようになった。

 患者会活動の先進国・米国で、がん患者の親とその子供らをサポートする団体の活動を学び、08年に任意団体を設立。15年にはNPO法人の認証を受け、講演会やワークショップなどを通じて、不安や悩みの解消に取り組んでいる。

 子供に心配をかけてはいけないと病状を告げない親もいるが、同団体は親と相談しながら、どんなに幼い子供でも、伝え方を選びながら親の身に何が起きているのかを説明している。大沢さんは「子供を家族として尊重することは、親子の絆や安心にもつながる。その上で、的確なサポートにつなげたい」と強調した。