リンチ症候群の会助成 岩国 昨年度に続き=山口
がん患者やその家族を支援する公益財団法人「正力厚生会」助成事業で、2019年度の助成金交付先に、岩国市の「リンチ症候群患者家族会 ひまわりの会」が昨年度に続いて選ばれた。
リンチ症候群は、大腸や胃など様々な臓器に若年からがんを発生しやすくなる遺伝性の病気。同会は14年、患者とその家族が正しい知識を共有し、支え合うことを目的に発足した。国立病院機構岩国医療センター(岩国市)が運営をサポートしており、現在は県内外の37人が所属している。
半年に1回の総会で、専門家を招いた勉強会や近況報告を行うほか、学会参加や広報活動にも取り組む。今回の助成金30万円は、その経費に充てるという。
患者で60歳代の女性会員は「一人で悩んでいたが、会で同じ境遇の人と出会って救われた」と振り返る。40歳代の女性会員は「医師に遠慮して検査を言い出せなかったときも、仲間に背中を押してもらい、結果的にがんの早期発見につながった」と語る。
今後の課題は、会員同士がより気楽に相談し合える環境作りだといい、今秋にはバーベキューを企画している。また、高額な医療費負担の問題や、遺伝情報に基づく差別を禁止する法律の整備についても、全国の患者団体とともに活動に取り組む。