希少がん治療法共有推進 右京の患者団体 来月、ウェブで専門医セミナー=京都
公益財団法人「正力厚生会」が公募した2019年度がん患者団体助成事業の助成金交付先に、府内からは、希少がんの一つ、神経内分泌腫瘍の患者らでつくる「しまうまサークル@関西」(右京区)が選ばれた。17年度以来3度目の選定。助成金を活用し、6月1日に京都市、福岡市、米ミシガン州をウェブ会議システムで結び、各地の専門医から最新の治療法などを学ぶセミナーを開く。
神経内分泌腫瘍は、ホルモンや神経伝達物質を分泌する細胞ががん化し、分泌物が過剰に出ることで低血糖や下痢などの症状が出る。肺や膵臓(すいぞう)、腸などで発症する。年間の発症率は10万人あたり5人ほどだが、近年は増加傾向という。
サークルは、この病気で手術を経験した代表世話役の原敬子さん(61)らが、患者や家族が情報を共有し、助け合える場をつくろうと12年に結成。正会員は約50人で、年に数回、患者会を開き、専門医を招いた講演や患者らの交流に取り組んでいる。これまでは京都市内で開いてきたが、今回は福岡商工会議所内にも会場を設ける。セミナーでは、ミシガン州立大で研究している大分大病院の産婦人科医、大阪と福岡の病院の専門医が講演し、患者との質疑応答も行う。
原さんは「会員や患者は全国各地にいるので、京都以外でも患者会を開きたかった。神経内分泌腫瘍は子宮や卵巣にもできるが、婦人科の専門医は少なく、講演は貴重な機会になる」と話している。
京都会場は京都経済センター(下京区)の3―H会議室。午前10時から患者交流会、午後1時からセミナーがある。一般の参加費は2000円。要申し込み。問い合わせは電話(075・871・9861)か、メール(inquiry@shimaumacircle.com)。