助成事業

がん患者 冊子で支える 県団体連絡協=千葉

 公益財団法人「正力厚生会」が公募した2019年度がん患者団体助成事業の助成金交付先に、県がん患者団体連絡協議会(千葉市中央区)が選ばれた。10年以上にわたり、様々な形でがん患者や家族の支援に取り組んできた。五十嵐昭子会長(68)は「各患者団体の活動内容などを紹介する冊子を増刷し、患者や医療関係者に幅広く届けたい」と話している。

 同協議会は、がん対策基本法の施行を受け、2008年、県内にある10のがん患者団体が集まり、結成された。

 がん患者を取り巻く治療環境を恒常的に整備していこうと、医療機関、行政と連携しながら、患者が集う「がんサロン」の発展、県内15か所の病院に設置された「相談支援センター」のPR活動、患者による緩和ケア研修会見学の推進などに尽力してきた。ここ数年は、医療機関、行政関係者などで組織する「県がん診療連携協議会」と定期的な会議を開き、医療関係者との意見交換がスムーズになったという。

 連絡協議会では、各患者団体の活動内容、入会方法などを紹介する冊子「がんと生きる仲間たち」を発行している。現在、在庫がほとんどないことから、今回の助成金を利用して、新たな情報、カラー写真を盛り込んで刷新したうえ、3000部を増刷する考え。

 五十嵐会長は「がんになったら、一人で悩まないで、患者仲間や支援センターの相談員に相談してほしい。冊子を通じて、患者団体への理解と親しみを深めてもらいたい」と語っている。