助成事業

がん患者助成 当別の団体に 情報交換サイト運営=北海道

 公益財団法人「正力厚生会」の2019年度がん患者団体助成事業で、道内では、患者同士の交流会開催や情報交換のウェブサイト運営に取り組む当別町の「キャンサー リンケイド」が助成金交付先に選ばれた。がんと闘う患者や家族を精神的に支える同団体の活動に期待が集まる。

 同団体は15年に設立され、インターネットで資金を募るクラウドファンディングなどで活動費を工面し、現在の会員は約80人に達する。

 運営の中心となっているのは、看護師の経験も持つ北海道医療大講師の熊谷歌織代表(47)だ。「医療現場などで様々に接する中で、がん患者が自分の体を心配するだけではなく、長期治療で周囲とのつながりも希薄になり、孤独感を強めていることを実感した」と設立当初を振り返る。

 現在の活動の中核は、がん経験者の情報交換サイト「キャンサーテラス」の運営のほか、札幌市や旭川市などで開く「患者会」と呼ばれる交流会だ。また、同サイトで無料会員登録制の「SNS ふわりガーデン」も作り、がん治療後の職場復帰や再就職などについて情報提供を行っている。

 熊谷代表は「がん患者が悩みを打ち明ける場を持てれば、孤独感を和らげることに役立つ。SNSは人前に出るのが苦手な患者でも気軽に相談できる。患者が少しでも前向きに治療に臨めるように手助けしていきたい」と語った。

 入会、ボランティアなどの問い合わせは同団体(info@cancer‐terrace.com)へ。