助成事業

乳がん患者の孤立防ぐ 「アイリスの会」に助成=岩手

 公益財団法人「正力厚生会」が公募した2019年度がん患者団体助成事業で、県内からは乳がん患者の交流、支援に取り組む「アイリスの会」が助成金交付先に選ばれた。25万円が助成される。盛岡市を中心に活動しており、鈴木俊子会長(71)は「ホームページ(HP)を刷新して発信力を高め、患者の孤立を防ぎたい」と語る。

 鈴木さんは、子育て中の1992年に乳がんと診断された。当時は乳がんに関する情報が少なく、「がん=死」のイメージを抱き、一時は絶望的な気持ちになった。それでも前向きに生きたいと思い直し、95年、患者仲間2人とともに「アイリスの会」を設立した。

 鈴木さんは「病気を嘆かず、能動的に生きるには正しく学ばなければいけない。でも、そういう場がなかった」と振り返る。

 現在の会員は、県内外の約100人。医師を招いた講演会や街頭での啓発活動のほか、会員同士の温泉旅行が主な活動だ。また月1回、乳がんへの不安や悩みを分かち合う茶話会を開いている。

 鈴木さんは「HPを通じて我々のような会があることを伝えていきたい。告知を受けた人が病院のベッドからスマートフォンで見て、『一人じゃないんだ』と思ってほしい」と話している。

 問い合わせは、同会事務局(019・692・1956)へ。