乳がん患者会に助成金 福山アンダンテ ゆったり悩み分かち合い=広島
公益財団法人「正力厚生会」が公募した2018年度がん患者団体助成事業の助成金交付先に、乳がん患者らによる交流会を開いたり啓発活動に取り組んだりする乳がん患者会「福山アンダンテ」(福山市、約80人)が選ばれた。会長の林富子さん(56)は「患者や家族らがざっくばらんに語り合うことで、明るく前向きに生活できるよう後押ししたい」と話している。(矢沢慎一)
福山アンダンテは1993年に発足。中国中央病院(同市)で毎月第1水曜に患者らが集まり情報交換する「おしゃべり会」、年に数回、患者や家族、看護師らが参加して気になっていることや不安なことを話し合い、学習会などもある「患者交流会」を開く。
アンダンテは「ゆったり」の意味で、林さんは「共にゆったり語ろうという思いを込めている。悩みや苦しみを分かち合い、乳がんの経験を伝えたり知ったりすることで、皆が笑顔で元気になってほしい」と願う。
林さんも約10年前に乳がんとなり、偶然知ったアンダンテに参加して泣きながら不安な気持ちをさらけ出してきた。5年前から会長を務め、「多くの人に支えてもらった恩返しをしたい」と意気込む。
5月の「福山ばら祭」では、市民らに乳がんについて知ってもらい、乳がん検診を呼びかける啓発活動を行ったほか、7月15日の患者交流会の準備にも余念がない。メンバーらの食事会や旅行も企画する。林さんを支えるメンバーの安部勝子さん(75)は「参加して良かったという声がやりがいにつながる。林さんを中心に末永く活動を続けていきたい」と語る。
福山アンダンテの問い合わせは林さん(090・6401・7461)。