助成事業

がん患者就労を支援 「ブリッジ」に助成金=愛知

◆「悩み口に出せる場 提供」 
 公益財団法人正力厚生会」が公募した2018年度がん患者団体助成事業の助成金交付先に、がん患者の就労を支援する一般社団法人「仕事と治療の両立支援ネット―ブリッジ」(名古屋市千種区)が選ばれた。代表理事の服部文さん(47)は「がん患者が、自分自身で人生を切り開いていくのをサポートしていきたい」と話している。(小山哲夫)
 ブリッジは2012年、国が、がん患者の就労支援を重点課題に掲げたことをきっかけに活動を開始。キャリアコンサルタントの服部さんら4人が中心となり、患者や企業、医療従事者ら向けに活動を行っている。
 患者向けに月1回開くワークショップ(講習会)では、患者同士が語り合いながら、自分自身を見つめ直してもらう。そのうえで、患者の就労、生活に関する課題の解決に向けて支援する。その他、個人面談や就活セミナーも開いている。「病気になって悩みを抱え、孤立しがちな患者に、悩みを口に出せる場を提供するのです」と服部さん。
 実際に企業へ赴き、治療と仕事の両立支援に関するセミナーなどを行っている。ブリッジの調べでは、がんと診断されて離職した人は約4割いるが、その半数は環境が整っていれば継続して就労できた可能性があるという。
 服部さんが就労支援に取り組む背景には、自身も様々な病気を経験して仕事を中断し、周囲の助けを受けたことがある。ブリッジの活動は基本的に助成金が中心となっていることから、今回の助成金(50万円)を活用して、現在行っている支援メニューを定着させたいという。
 服部さんは「患者本人だけが頑張るのではなく、心理的な面も含め、周りがきちんと支援していきたい」と話している。
 ブリッジの活動内容など問い合わせはホームページ(「仕事と治療 ブリッジ」で検索)。
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