助成事業

「がんカフェ」患者ら支援 勉強会も開催=秋田

 がん患者団体の活動を支援する公益財団法人「正力厚生会」が公募した2018年度がん患者団体助成事業の対象に、県内から、がん患者やその家族などを支援する「がんカフェあきたの会」(秋田市)が選ばれた。
 「がんカフェ」は、昨年5月に創設された。がん患者やその家族などを対象に、秋田市内で月1回の相談会を行う。毎回40~70代の10人ほどが訪れ、闘病生活や治療方法などを相談する。参加者が円になり、体験談を話し合うこともある。
 同会代表の三浦恵子さん(65)は、5年前まで市内の病院で臨床検査技師として勤務していた。「患者さんにもっと近いところで支えになりたい」という思いを強くし、50代の頃、県内のがん患者を支援する団体の設立に携わった。昨年から、「がんカフェ」を中心に活動し、現在はボランティア4人で運営している。
 印象に残っているのは、肺がんになり、最も進行度が重い「ステージ4」と診断された患者が、医師から「もう治す薬はない」と言われ、落ち込んで相談に来たケースだ。別の医師を紹介したところ、「前向きになれました。(闘病生活を)頑張ってみようと思います」と連絡があり、ほっとした。
 三浦さんは、病気に関する知識や治療に関する情報が少なすぎることが、がん患者の大きな不安につながっていると感じている。また、患者は病気によって体を動かすことや家事など日常生活ができなくなり、自信を失ってしまう傾向にある。治療などの面で他の選択肢を示したり、国や自治体の補助制度を伝えたりすることで、前向きになることが多いという。
 「がんカフェ」は勉強会なども開催しており、年内には、医師も参加する患者向けの勉強会も計画している。
 三浦さんは「患者さんが希望をもって生きられるような環境を作っていきたい」と話している。
 「がんカフェ」への問い合わせは三浦さん(090・5188・3902)へ。次回の相談会は6月16日午前10時から、秋田市中通のにぎわい交流館AU(あう)で行われる。参加申し込み不要。