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助成事業 QOLへの助成

県内3団体に助成金 がん患者を支援=神奈川

 がんの患者団体を支援する活動に取り組む公益財団法人「正力厚生会」(辻哲夫理事長)が公募した2018年度の助成事業の交付先が決まり、県内からは「聖マリアンナ乳がん体験者の会 マリアリボン」(川崎市宮前区)と「頭頸部(とうけいぶ)がん患者と家族の会 Nicotto」(横浜市港南区)、「小児がんピアサポート推進協議会」(伊勢原市)が選ばれた。3団体の活動を紹介する。
 ◆体験談話し支え合う 
 ◇聖マリアンナ乳がん体験者の会 マリアリボン(川崎市宮前区) 
 聖マリアンナ医科大学病院で乳がんを経験した3人が共同代表となり、2013年から患者の支援を続けている。
 「乳房再建」や「再発転移」などのテーマごとに患者たちが集まり、体験談などを共有して不安を解消する「おしゃべり会」や、同病院の医師による乳がん治療の勉強会を開催している。ひとときでも病気のことを忘れられるようにと、クリスマス会などのイベントも企画している。
 共同代表の一人、堀内美保さん(49)は、自身が乳がんになった時、不安を理解してくれる人が周囲におらず、孤立感を深めた経験を持つ。乳房摘出やウィッグ(かつら)の探し方など「同じ体験をした仲間にしかわからない苦しみがある」といい、「マリアリボンは、みんなで悩みを打ち明けながら支え合うことで、病気と向き合えるようになる場所」と話す。
 会はボランティアで運営し、活動資金に余裕はないという。今後、助成金を使って外部講師を呼び、患者向けの運動方法を学ぶイベントなどを企画する計画で、堀内さんは「活動に幅が広がる」と喜んだ。
 ◆「隠しにくい」悩み共有 
 ◇頭頸部がん患者と家族の会 Nicotto(横浜市港南区) 
 頭や顔などにできたがんと闘う患者とその家族らが集う。服などで患部を隠しにくいといった悩みを共有する場を設け、「患者たちが『にこっと』笑顔になれるように」と名づけた。
 代表の清水敏明さん(51)も6年前に舌がんと診断され、あごの半分を切除する大手術を受けた。思い通りに話すことができなくなり、「職場の会合にも行きづらくなった」と振り返る。
 そんなときに出会ったのが、鼻を左右に分ける鼻中隔の奥にがんを患い、嗅覚を失いながらも自作の歌などで患者を励ましていた福智木蘭さん(65)だった。
 「自分の経験を披露することで誰かの役に立つかもしれない」と約2年前に会を設立し、都内でのお茶会や近郊への遠足を企画する。現在、会員は40人を超えた。
 清水さんは「顔にがんができると引きこもりがちになる」といい、「同じつらさを経験した者同士だからこそ、励まし合うことができる」と話している。
 会では、活動に参加を希望する人を募集している。問い合わせは清水さんのメール(nicotto@kde.biglobe.ne.jp)。
 ◆相談受ける態勢整備
 ◇小児がんピアサポート推進協議会(伊勢原市) 
 親団体の「全国小児がん患者会ネットワーク」の中から、有志が集まって2013年に結成。現在、会員は小児がんの子を持つ親を中心に約200人に上る。
 だが、大人のがん患者と比べ、小児がんの発症者は少ないことから、医療や支援の態勢は十分に整っていないとされる。
 事務局長を務める東海大学医学部看護学科の井上玲子教授(54)は「小児がんの相談・支援の環境はまだまだ不十分」と語る。
 「ピア」とは仲間のこと。知恵を出し合いながら、患者の家族らからの相談に応じる「ピアサポーター」の養成プログラムを独自に開発し、年2回の研修を通じて育成に取り組んできた。
 遠方にいて研修への参加が難しい人たちのために、研修内容を90分間のDVDにまとめ、新設するホームページにダイジェスト版をアップする予定だ。助成金はこうした事業に充てるという。
 30年前に我が子を亡くし、今もピアサポーターとして活躍する女性もいるといい、井上教授は「ピアの精神は少しずつ根付いています」と手応えを感じている。
 

(2018年05月18日)

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