助成事業

がんの母 支援団体に助成金 親子で参加の催しなど開催=福岡

 公益財団法人正力厚生会」が公募した2018年度がん患者団体助成事業の助成金交付先に、NPO法人「がんのママをささえ隊ネットワーク ETERNAL BRIDGE」(福岡市)が選ばれた。代表の山田佳代子さん(65)は「支援が必要な人たちがいることを社会に広く呼びかけていきたい」と話している。
 子育て中にがんになった母親らを支援するため、16年10月に設立した。本人や家族の不安を和らげようと月に1回、交流会や親子で参加できるコンサート、ヨガ教室などのイベントを開催し、ホームページ(http://www.sasaetai.or.jp/)で情報を発信。家計の負担にならないよう、参加費は原則無料とし、活動資金は寄付で賄っている。
 設立は、山田さんの長女で3児の母でもある乳腺専門医の金城舞さん(38)の体験がきっかけだった。金城さんは、治療の苦しさで子どもへの接し方がきつくなることに悩んだり、わが子に愛情を伝えられないまま亡くなったりする母親たちを目の当たりにしてきた。
 医師としてできることに限界を感じていたが、乳がんを公表していたフリーアナウンサーの小林麻央さんの姿に背中を押された。山田さんは娘の思いに賛同し、代表を引き受けた。
 山田さんと金城さんは「病気のことを周囲に話せず、1人で悩みを抱えている人も多い。母親目線で寄り添い続けたい」と話す。
 今回の助成金を活用して、母親の体験談をまとめた冊子の発行や、闘病中の親を持つ子どもへの関わり方を考える講演会の開催などを企画しているという。