助成事業

助成金で乳がん啓発へ 宮崎の団体=宮崎

◆セルフチェックシートを作成 
 公益財団法人正力厚生会」が公募した2018年度がん患者団体助成事業の助成金交付先に、「みやざきがん患者コミュニティHug me」(宮崎市)が選ばれた。加藤沙織代表(38)は「乳がんのセルフチェックシートを作り、啓発を呼びかけたい」と話している。(浜田真梨子)
 加藤さんは理容師として働いていた28歳の時、乳がんが見つかった。抗がん剤で自身が脱毛に悩んだ経験から、闘病後、ウィッグを販売したり、髪の毛の相談に乗ったりするがん患者専門のサロンを宮崎市で始めた。
 「Hug me」は、女性がん患者や元患者が情報交換をしたり、悩みを共有したりする場として、サロン内に作った。昨年5月に正式に市民団体として登録。現在は加藤代表を含め、子育て世代の30~40歳代の7人が中心となり、月に1回茶話会を開いている。
 今回決定した30万円の助成金は、乳がん検診の啓発活動に充てる。自分で触って胸の状態を知る自己検診の方法や、相談できる機関の連絡先などを盛り込んだセルフチェックシートを作成。シートのデザインは、グラフィックデザイナーで乳がんの治療を続けている嶋原美保さん(44)が担当する。
 10月の乳がん月間までの完成を目指しており、女性が集まる場に出向いて検診の大切さを呼びかける計画。加藤代表は「サロンに来て、『なぜあの時、放っておいたんだろう……』と泣く患者がいる。同じ病を経験しているからこそ、早期に検診や治療を受けるよう、背中を押す情報を提供したい」と話している。
 加藤代表らは活動の参加者も募集している。問い合わせは「Hug me」(0985・50・5531)へ。