助成事業

乳がんNPOに助成金 「顔見える関係大切に」=広島

 公益財団法人「正力厚生会」が公募した2018年度がん患者団体助成事業の助成金交付先に、乳がん患者の支援や啓発活動に取り組む、認定NPO法人「乳がん患者友の会きらら」(広島市中区)が選ばれた。中川圭理事長は「互いに顔の見える関係を大切にしながら、活動を続けていきたい」と話している。
 「きらら」は、患者自身もボランティアとして運営に携わる自助グループ。患者や家族からの相談に乗るなど、互いに支え合うことで生活の質向上を目指し、検診による早期発見の重要性などを呼び掛ける啓発活動にも取り組んでいる。
 自らも乳がんとなり、治療に関する正確な情報を収集する難しさなどを痛感した中川理事長が中心となって03年に設立。月に1回程度、患者同士が集まって話をする「おしゃべり会」を開くほか、和気あいあいとした雰囲気の中で医師ら専門家から、じっくり話を聞く学習会も定期的に開く。
 毎年、500人規模の患者、家族を対象に、最先端の医療情報などを提供する「フォーラム」も開催。フォーラムや講演会などの模様は撮影し、インターネット上で動画を公開している。
 中川理事長は「新たな治療への研究が進む中、的確な情報を提供し、患者が自分にとって効果的な治療を選ぶことができるよう努めていきたい」と力を込める。