助成事業

乳がん患者団体に助成金=鳥取

 公益財団法人「正力厚生会」が公募した2017年度がん患者団体助成事業の助成金交付先に、乳がん患者らでつくる「米子ピンクリボンフェスタ実行委」(米子市)が選ばれた。早期発見の大切さを訴えるフェスタを毎年開催しており、10回目となる今年は助成金を活用し、患者の体験を基にした演劇を上演する。
 実行委は、患者や医療関係者らで2007年に結成した。翌年から、「知ろう乳がん 守ろう命」をテーマにフェスタを開催。医師らの講演などに加え、乳がん経験者がセルフチェックのこつを伝えるなどして情報発信を続けている。
 副委員長の友森一美さん(65)も闘病経験を持つ1人。39歳の時、右胸を全摘出した。約25年前から、県内の患者らでつくる「あけぼの鳥取」で活動をしている。
 今年のフェスタ(入場無料)は18日午後0時30分から、米子市福祉保健総合センター「ふれあいの里」で開催。「『検診を受けよう』『母や妻に検診に行った方がいいと勧めよう』と実感してもらえるように」と、演劇を取り入れることにした。
 脚本、上演は、鳥取市鹿野町を拠点とする劇団「鳥の劇場」。妊娠のために心や体の準備をする「妊活」中に乳がんの告知を受ける30歳代女性、夫と子どもとともに闘病する40歳代女性、入院治療を続ける50歳代独身女性という、年代や立場の異なる3人の物語が、患者の手記の朗読などを交えて進行する。
 上演は午後2~4時で観覧無料。「乳がんは人ごとではない、と多くの人に感じてもらいたい」と、友森さんは話している。