悩み語り合い元気に=群馬②
公益財団法人「正力厚生会」が公募した2017年度がん患者団体助成事業の助成金交付先に、県内から桐生市の「子宮・卵巣がん患者会みゅらりっぷ」と高崎市の「ぴあサポぐんま」が選ばれた。2団体の活動を紹介する。
◆悩み語り合い元気に
◇ぴあサポぐんま(高崎市)
高崎市総合福祉センターに4月、約20人のがん患者らが集まり、病状や心境を語り合った。「ぴあサポぐんま」が主催する「地域がんサロンぐんま」だ。
血液がんを患う男性は「抗がん剤の副作用で指先などにしびれはあるが、せがれと楽しく誕生日を迎えられた」と近況を報告。卵巣がんの女性は「がんになって、何でも好きなことをしていこうと人生観が変わった」と話した。
サロンは毎月、県内5か所でそれぞれ1回ずつ開かれている。参加するのに予約は不要で費用もかからない。毎回、性別や年齢、がんの種類、病歴を問わず、患者が集まってくる。代表の土屋徳昭さん(72)は「サロンに来る人は、心の奥底に悩みを抱えている。来た時よりも元気になって帰ってもらうことが大事」と意義を説明する。
ぴあサポぐんまは、がん患者を支援する「ピアサポーター」を中心に2013年に設立された。医療機関で活動しながら、サロンを開いている。サロンでは、参加者の様子を見ながら、必要に応じてメンバーが個別に話を聞きにいく。
最近は、親の介護をしながらがんの治療を受けている人も少なくないという。母親が認知症だという男性は「ここ(サロン)は自分のことを振り返る貴重な時間」と語った。土屋さんは「がん患者の受け皿として活動を続けていきたい」と話している。