女性同士「つらさ」共有=群馬①
公益財団法人「正力厚生会」が公募した2017年度がん患者団体助成事業の助成金交付先に、県内から桐生市の「子宮・卵巣がん患者会みゅらりっぷ」と高崎市の「ぴあサポぐんま」が選ばれた。2団体の活動を紹介する。
◆女性同士「つらさ」共有
◇子宮・卵巣がん患者会 みゅらりっぷ(桐生市)
子宮や卵巣のがんを患った女性だけで情報を交換したり、悩みを打ち明けたりする活動を行っている。毎月1回、太田駅構内の「駅なか文化館」(太田市)で開く定例の患者会には、3~5人程度の患者が集い、思い思いに苦悩を口にする。
子宮を摘出して子供を持てなくなってつらい、家族にも気持ちをうまく伝えられない……。卵巣を摘出する前のエコー写真を心のよりどころにしている女性もいるという。代表の三武美紀さん(40)は「自分のことを話し、人の経験を聴くことは心の整理につながる。子宮や卵巣のがんは、周囲に話しづらいと感じる人が多く、気兼ねなく話せる場が必要だ」と説明する。
三武さんは2008年3月に2人目の子供となる長女を出産した後、子宮や卵巣などにがんが見つかった。東京都内の病院で子宮などを摘出し、その後、8か月間、抗がん剤治療を受けた。
入院中に患者同士で話せたことが心の支えとなった。だが、退院して日常生活に戻ると、病気のことを口にする場がなくなった。身近に患者が語り合う場がほしいと考え、13年4月に会を設立した。
三武さんは「がんの程度や子供の有無に関係なく、その人がつらいと思えばつらい。今後も参加者が互いに『つらさ』を認め、気持ちを受け止めていく活動を続けていきたい」と話している。