助成事業

肺がん患者の本音 1冊に=神奈川

 同情の涙や喫煙歴の質問はやめて――。肺がん患者会「ワンステップ」(長谷川一男代表)は、患者がうれしく思ったり、配慮がほしいと感じたりした周囲の対応について、120人の肺がん患者の声をまとめた。世界的な肺がん啓発月間である11月に合わせて冊子を作製、イベントで配布する計画だ。さりげない心遣いはうれしいが、過ぎた同情は傷つくという複雑な思いを理解する上で参考になる。
 「がんを伝えても態度が変わらなかった」「ただ話をうんうんと聞いてくれる」など普段通りの対応を「うれしい」と感じる人が多かった。一方、配慮がほしかった言動では、「なぜ、がんになったのか」と聞かれる、「かわいそう」と泣かれる――などが挙がった。
 喫煙が原因でない肺がんが増えているのに、「たばこ吸っていたの?」と聞かれ、傷ついたとの声も上がった。「頑張れ」など励ましの言葉には「うれしかった」という声が多かったが、「(今さら)何を頑張るのか」と感じるので配慮してほしいという意見もあった。長谷川さんは「『頑張れ』は体調や治療の状況によって受け止め方が変わるのでは」と分析している。
 冊子は、同会のホームページ(http://www.lung‐onestep.jp/sashi.html)にも掲載した。