仕事帰りに集えるサロン=京都①
◆「京都ワーキング☆サバイバー」◆
乳がんを経験した医療法人職員の前田留里さん(43)が中心となり、2015年9月に発足した。
前田さんは38歳の時、乳房にしこりがあることに気づいた。乳がんと診断され、部分切除。「一般的に40歳代後半から発症の可能性がある病気と思っていただけに、ショックだった」と振り返る。
がんにかかり、「人生には限りがある」ことに改めて気づき、同じ病気の人たちを支援したいと思うようになった。既存のがん患者団体は平日の昼間に会合を開くことが多く、30~40歳代の働く女性が仕事帰りに集える「サロン」を思いついた。
毎月第2水曜の午後6時半から、中京区のビルの一室を借りて開いている。毎回5、6人が参加し、仕事を続けながら治療する難しさや自分の経験談などを語り合う。
参加する女性(44)は、「ほかの患者らと触れ合う中で、気持ちが前向きになった気がする。ひとりで悩まず、ぜひサロンに参加してみて」と話す。
現在は女性限定だが、今秋をめどに、男性患者を対象にしたサロンの開設も検討している。前田さんは「様々な取り組みを通じて、がん患者への理解を高めたい」と話している。