助成事業

プロレスで乳がん啓発=愛知

2015年5月の一宮市のプロレスで乳がん検診の重要性を訴える馬場さん

 公益財団法人正力厚生会が公募した今年度のがん患者団体助成事業の助成金交付先に、プロレスを通じて乳がん検診の大切さを広めるNPO法人「バボナターレ」(一宮市)が選ばれた。「母の日」の8日には、一宮市の真清田(ますみだ)神社前の特設リングで、プロレスの試合とともに啓発運動をする。
 バボナターレは「新一宮プロレス」を展開する団体。まちを盛り上げる活動の一環として、代表の馬場秀樹さん(44)がプロレスラーらに声を掛け結成、2012年10月に市内の公園で旗揚げ試合をし、現在は年4回の試合をしている。
 08年に母親を乳がんなどで亡くした馬場さんは14年から、乳がん検診の大切さを訴える「ピンクリボン運動」とプロレスを合わせる異色の“タッグマッチ”を始めた。
 「母の日」のイベントは、男性が多く詰めかけるプロレスだからこそ実施を決めた。馬場さんは「自分の母親もそうだったが、お母さんたちは家族を優先しがちで自分の検診を後回しにする。だから、男性が検診を勧めないといけない」と話す。
 派手なマイクパフォーマンスで検診をアピールするつもりだ。馬場さんは「着飾った言い回しより、プロレス熱の勢いで『大事なかぁちゃんに、乳がん検診を受けさせねぇーと、死んじまうかもしれねぇぞ!!』と言った方が伝わる」と強調する。