助成事業

がん患者助成事業に武雄の団体=佐賀

がんサロンで自らの体験を語る高田代表(右から2人目)

 がん患者やその家族の支援活動に取り組む市民団体「チアフル♪プラザ」(武雄市、会員16人)が、公益財団法人「正力厚生会」のがん患者団体助成事業の対象に選ばれた。代表の高田仁子さん(63)は「患者さんやご家族の心の支えになる活動に役立てたい」と話している。
 高田さんが活動を始めたのは、約10年前に乳がんを患ったことがきっかけ。治療の不安や悩みを話す場がなく、つらい思いをした。「がんになると、心理的、社会的に多くの困難に直面する。私のような思いをする人を減らしたい」と考え、2009年に同団体を結成した。
 団体は現在、毎月第2土曜日に武雄杵島地区医師会検診センターでがん患者やその家族が語り合う「市がんサロン」などを開催。経験や思いを共有することで、孤独感を和らげ、力づける効果があるという。
 こうした活動をする中、高田さんは「相談者が安心して交流や情報交換できる場にするために、もっと知識を身につけなければ」と感じ、正力厚生会の事業に応募。助成金約40万円で、年2回、がんを克服した元患者が、相談相手となって患者を支える「ピアサポーター」の養成講座を開く。高田さんは「助言にも責任が伴う。支え合う知識と方法をしっかり学びたい」と話している。