助成事業

旭川市の団体に助成=北海道

旭川市で開かれた勉強会で抗がん剤について説明する杉山さん(右)」

  がんに関する相談や啓発の活動をしている旭川市の一般社団法人「CAN net(キャンネット)」が、公益財団法人「正力厚生会」が公募した2015年度の「がん患者団体助成事業」の対象に選ばれた。代表理事の杉山絢子(じゅんこ)さん(37)は「助成を活用し、どこの病院にかかっていても集える地域コミュニティー型の『がんサロン』を開いていきたい」と話している。
 キャンネットは、腫瘍内科医の杉山さんが13年に設立。「病気になっても自分らしく生きられる社会をつくる」がテーマで、弁護士やカウンセラーらが役員を務め、ソーシャルワーカーら専門家約120人がサポーターをしている。
 がんの相談窓口「がんコンシェルジュ」では、自分や家族ががんになった時の就労、相続、抗がん剤の副作用などの悩みに対し、様々な専門家がチームを組んで対応する。相談件数は150件を超えた。
 がん未経験者に、知っておいた方がよい知識や心構えを伝える勉強会を、札幌市、旭川市、東京都内でそれぞれ月1回開いている。
 杉山さんは、17歳で難病の潰瘍性大腸炎を発症し、23歳の時、父親を肺がんで亡くした。杉山さんは「経験から得た視点を活動に生かしている。がん経験の有無にかかわらず、つながり合う場にしたい」と話す。
 キャンネットへの相談や情報提供は、ホームページで受け付けている