助成事業

悩み打ち明ける場 整える=京都②

公益財団法人・正力厚生会のがん患者団体への助成事業に、府内では小児がん患者と家族を支援する京田辺市のボランティア団体「ぶどうの会」(代表=才藤千津子・同志社女子大准教授)、患者本位のがん治療の実現を目指す右京区のNPO法人「京都がん医療を考える会」(清田政孝理事長)が選ばれた。
 関係者は「患者や家族を孤立させない環境作りに、さらに努めたい」と思いを新たにしている。

 2006年に結成され、07年にNPO法人になった。会員のほとんどが、がん患者で39人。毎年1度の公開講座のほか、遺族の会「ふらっと」、患者が集う「葉月プラナスの会」を開いている。21病院のがん患者団体を支援し、会報の発行も続けている。
 12年8月に就任した清田理事長は7年前の68歳の時、膵臓(すいぞう)がんが見つかり、3分の2を手術で摘出した。経験を基に「がんを告知されれば、多くの患者は頭が真っ白になる」と話し、「患者と家族が悩みを打ち明け、知識を共有できる環境を整えたい」と意欲を見せる。
 助成金20万円は、9月14日に京都市内で開く公開講座の開催費に充てる。「がんと共に生きる」をテーマに、患者3人が手術やその後の生活などについて語る予定。清田理事長は「患者と家族が悩みを乗り越えるための貴重な機会にしたい」と話している。