助成事業

がん患者2団体に助成=長野②

 公益財団法人正力厚生会の2013年度「がん患者団体助成事業」の対象に、県内から「桜むね」(吉沢英子代表)と「わたげ会」(高橋俊子会長)の2団体が選ばれた。

 【乳がん患者会わたげ会】

 東信地方を中心に約120人の乳がん経験者らでつくるわたげ会は、1998年に結成された。佐久市の佐久総合病院などで、乳がん経験者同士が語り合う会や講演会、交流会などを主催している。
 主治医との関係など、医師には相談しにくいことや、抗がん剤などの薬の効果や副作用など、乳がん経験者だからこそ、語り合うことで共感し合い、前向きになれることも多いという。
 わたげ会事務局長の上原寿美子さん(64)は「治療を始めて間もない人も、乳がん経験者に悩みを話すことで、自分の将来の姿を想像しやすくなる」と、患者同士が交流していく意義を説明する。
 「同じ乳がん経験者でも、年齢や、がんが再発した人とそうでない人とでは悩みも異なる」という会員からの要望を受けて、近年は、若い世代を対象にしたり、再発患者だけを対象にしたりした会も開催するようになった。
 上原さんは「患者同士の心と心のつながりを大切に、多くの人が笑顔になれるよう活動を続けていきたい」と話している。