助成事業

宇和島・さくらサロン助成=愛媛

がん患者ら(手前)の話を聞く村上さん(左)ら(宇和島市御殿町の市立宇和島病院で)

  公益財団法人正力厚生会が公募したがん患者団体助成事業の助成対象先が決まり、県内からはがん患者とその家族のための「さくらサロン」(宇和島市)が、選ばれた。さくらサロンは助成金を患者交流会などの活動に充てる予定で、運営責任者で、宇和島市立宇和島病院職員の村上幸男さん(51)は「不安や悩みを語り合うことが、患者の心の支えになる」と話している。
 さくらサロンは2011年7月、宇和島市周辺のがん患者やその家族で活動を始めた。宇和島病院地域連携室に事務局を置き、がん患者や家族ら4人のボランティアスタッフが、交流会を世話する。
 毎月1回(第4水曜日午後1時30分から約2時間)の交流会が活動の軸で、病棟一室での自由な語らいの場には、30~70歳代の女性患者を中心に、毎回2~8人が参加する。
 村上さんは「がんにかからなければ、自分たちの気持ちは分からないと思っている患者もいる。がん患者は、経験者やその家族からの情報を求めている」と、交流会の意味を話す。
 今後は相談に訪れるのが難しい離島や山間部へ出向いての交流会「移動さくらサロン」を企画し、大洲や八幡浜市にも活動範囲を広げる方針だという。
 交流会にはがん患者かその家族なら誰でも参加できる。事前の申し込みは不要で、ボランティアスタッフも募集している。問い合わせは市立宇和島病院地域連携室へ。