助成事業

末期がん 激励のカレンダー 福岡の患者会が製作

完成したカレンダーを手にする(前列右から)花田さん、田尻さん、篠隈文男さん

 福岡市南区のボランティア団体「ファイナルステージを考える会」は、同市在住の末期がん患者とその家族計4人が描いた日本画をあしらった来年の卓上カレンダーを製作し、販売を始めた。同会はがん患者向けの「デイホスピス」を週1回続けており、収益金を運営費に充てる。(本部洋介)
 カレンダー(縦10センチ、横20センチ)は、1か月ごとに紙を入れ替える形式で、各月には、カタツムリや紅葉した葉、サンタクロースといった季節感あふれる絵が、顔彩を使って描かれている。
 手がけたのは、子宮がんと闘う田尻トシエさん(70)、乳がん患者の花田和子さん(85)、卵巣がんを克服しようとしている篠隈利子さん(69)と夫の文男さん(71)の4人。
 同会のデイホスピスは、同市南区横手2の清水クリニックで毎週水曜日に行われ、4人も通っている。ボランティアスタッフが調理した昼食を一緒に食べた後、絵画や合唱、フラワーアレンジメント、茶道などを楽しんでいる。
 昨年6月から通う田尻さんは、1年前に生まれた初孫がすこやかに育つことを願って、金太郎とこいのぼりを描いた。「デイホスピスに来るようになって友達が増え、絵画という趣味もできた。私たちの絵を見ることで、同じように病気で苦しむ人の励みになれば」と話している。
 カレンダーは1000円。購入申し込みは、同会のファクス(092・502・6868)へ。