助成事業

「NCN(奈良キャンサーネットワーク)若草の会」が患者の手記を集めた冊子を発刊

がん体験記などを載せた冊子

 がん患者らが支援しあう「NCN(奈良キャンサーネットワーク)若草の会」(橿原市、野村佳子代表)は、冊子「珠(たま)のコトノハ―がん患者のたまゆらの手記とサポート情報」(B5判、52ページ)を発刊した。がんに立ち向かう強い決意がつづられ、同じ病気を抱える人たちに勇気と希望を与える内容になっている。
 同会は、すべての種類のがん患者や家族、遺族、医療関係者を含めた患者会の設立を目指して、2011年11月に結成された。直後に企画した体験手記づくりが、公益財団法人正力厚生会の助成事業に選ばれ、1年前から取り組んだ。
 掲載している手記は、患者や家族、遺族、医療関係者の38編。「『患者が治療の主役』と言い聞かせ、目標を持つ重要性を再認識して病気に向かう最大限の努力をしている」(がん患者の女性)「がんで亡くなる人が一人でも少なくなり、患者の苦しみが癒やされるよう緩和ケア病床の整備に取り組みたい」(遺族の男性)などとつづられている。
 このほか、「腎臓が一つ残れる有り難(がた)さ 透明の尿しげしと眺む」の短歌や詩、川柳など計7編と、がん相談支援センター、患者サロン、がん関連団体の一覧表も収録している。
 野村代表は「患者や家族の切実な思いがつづられており、多くの人に読んでほしい」と話している。
 7000部作成。県立医大病院(橿原市)や県立奈良病院(奈良市)、保健所などで入手できる。無料。
 郵送希望者は実費300円分の切手を同封し、〒630・8122奈良市三条本町13の1、奈良市ボランティアインフォメーションセンター「NCN若草の会 冊子作成委員会」へ。