助成事業

県がん患者会連合会に助成=沖縄

ミーティングを行う県がん患者会連合会のメンバー

 がん患者支援に取り組む「沖縄県がん患者会連合会」(金武町)が、公益財団法人「正力厚生会」の2012年度「がん患者団体助成事業」の助成対象に選ばれた。助成金35万円は、八重山諸島などの離島で孤独な闘病生活を送る患者の交流会などに充てられる。
 連合会は10年4月、胃がん、喉頭がん、乳がんなどの患者会8団体で発足。200人を超える会員の声を集約し行政への要望活動などを行っている。
 田名勉会長(63)によると、離島の患者は、治療で沖縄本島へ行き来するため、交通費など経済的負担が大きい。さらに「がんが移る」などの誤解も根強く、病気を周囲に隠す患者が少なくないという。
 喉頭がんを抱える田名会長は1979年に声帯の全摘出手術を受けた。その後、食道を使って発声できるようになった。「八重山諸島などで講演会を開き、患者に勇気を与えたい」と話した。
 県内からはほかに、がんを経験した看護師でつくる「サバイバーナースの会『ぴあナース』」(那覇市、約20人)も助成対象に選ばれた。患者だったからこそ分かる視点を生かして医療現場と患者とをつなぐ活動をしている。助成金は、会員のカウンセリング能力などを高める研修会費に充てるという。