助成事業

声帯摘出者の発生訓練 真室川の教室に助成金=山形

発声練習を行う最上支部のメンバー(県立新庄病院で)=金山光男さん提供

 がん治療で声帯を失った人に対して発声練習などに取り組む県喉摘者福祉団体発声教室山彦会最上支部新庄教室(真室川町)が、公益財団法人正力厚生会が公募した2012年度がん患者団体助成事業の助成対象に選ばれた。最上支部長の金山光男さん(74)は、「声を失っても、多くの人が幸せに長生きできるよう尽力したい」と話している。
 金山さんらは、発声の練習会の開催や会への参加を呼びかけるなどの活動を行っている。練習会は新庄市の県立新庄病院で1999年から実施。食道にためた空気を腹の力で出し、喉で振るわせて話す「食道発声」などの方法で声を出せるように訓練し、現在は週1回の会に最上地方の60~70歳代を中心にした21人が参加している。
 金山さん自身も喉頭がんになり、17年前、声帯を取り除く手術を受けた経験を持つ。当時は、こうした練習会は山形市でしか開催されていなかったため、新庄で開くことにしたという。 金山さんは、「声を失うとどうしても引きこもりがちになる。発声会で話す力をつけるだけでなく、同じ境遇の人と交流することで生きがいを見つけてもらえれば」と話す。