がん体験手記づくりに 橿原の団体助成=奈良
がん体験の冊子づくりについて話し合う野村さん(右から2人目)ら(橿原市の県立医大で)
がん患者の体験手記の作成に取り組んでいる患者団体「NCN(奈良キャンサーネットワーク)若草の会」(橿原市、野村佳子代表)が、公益財団法人正力厚生会の2012年度がん患者団体助成事業の助成対象に選ばれた。同会は「体験手記で情報を共有し、患者が前向きに生きることにつなげたい」としている。
県内では、6病院にがん患者のためのサロンが設けられており、患者やその家族らが交流。悩みや不安も語り合っている。野村さんらはすべてのがんを対象にした患者団体の組織作りのきっかけにしようと、体験談や闘病記をつづる冊子作成を計画。昨年11月、患者や看護師ら27人で同会を結成した。
冊子には、患者や家族、医療スタッフらの体験手記を中心に、国、県のがん対策、相談支援センターやサロン、患者団体などの情報を載せる予定。▽体験手記を読むことで患者や家族が勇気や希望を持てる▽冊子なので時や場所を選ばず読める――など、書き手と読み手双方へのサポートに役立てたいという。
現在、メンバーが月2回、橿原市の県立医大に集まり、冊子作成の参加者を募ったり、内容を検討したりしている。12年度中に第1号を発行する予定。野村さんは「すべての種類のがん患者を対象にした患者会への発展を目指したい」と話している。