助成事業

正力厚生会 がん患者団体助成 船橋の「支えあう会『α』」に=千葉

がん患者に関心のある情報をまとめたいと話す五十嵐事務局長(6月24日午後3時18分)=黒田高史撮影

 がん患者などを支援する船橋市の市民団体「支えあう会『α』」が、公益財団法人正力厚生会の「がん患者団体助成事業」の助成対象に選ばれた。五十嵐昭子事務局長は「大変光栄。患者や家族のためになる情報を提供していきたい」と話している。
 同会は1994年に設立。がんを体験した元看護師の土橋律子さん(56)らが、仲間と自らの体験を話し合ううちに気持ちが癒やされ、勇気づけられたことなどから会を結成した。五十嵐事務局長は、友人を介して知った99年のシンポジウムへの参加を機に入会。東京都内の総合病院で検査技師として働きながら、活動に携わってきた。
 同会の会員は県内を中心に、がん患者や家族など約130人。千葉大西千葉キャンパス(千葉市)で毎月1回、それぞれの近況を話す定例会「分かち合い」を開くほか、がん相談、気功教室なども行っている。
 また3か月ごとに、がん治療が専門の医師の講演内容やイベント情報などを掲載した会報誌「α通信」を発行。昨年4月発行の第54号では、県内13か所(現在は14か所)のがん診療連携拠点病院を取材し、相談支援センターの現状や患者サロンの運営などについてまとめた。今回の助成を受け同会は、患者が病院の相談支援センターを利用したり、患者団体に連絡をとったりしやすいよう、14か所のがん診療連携拠点病院を再取材するなどして1冊の冊子にまとめる。2000部を作り、相談支援センターや患者会を通じて配布する方針。五十嵐事務局長は「がん患者も医療機関側も、両者に必要な情報を盛り込んだ冊子にしたい」と話している。